1995年、天国の藤井樹へと宛てられた一通の手紙が、雪の町に静かに響いた。
それは、誰もが心の奥にしまっていた、甘くて、少しほろ苦い記憶を呼び起こすラブレターだった。
それから30年——
映画『Love Letter』が再びスクリーンに戻り、岩井俊二が上海に現れた。
CNS Japanは、在中の日本人読者と日本人留学生16人とともに、この特別な機会を共有。監督と一緒に“記憶の旅”に出かけた。行き先は、あの頃の北海道。時間を巻き戻し、純粋な恋の物語をもう一度たどる旅。
あの頃の記憶が、今もまだ胸の奥で息をしている。
30年前に映画を観た人にも、これから初めて出会う人にも届いてほしい。
「お元気ですか?私は元気です。」
その一言に込められたすべての想いが、もう一度届くように。