王文彦、美新|2025-07-19 11:59:00
小島秀夫氏が中国・上海「BilibiliWorld2025」に初登場

7月12日、中国・上海で開催されたアジア最大級のポップカルチャーイベント「BilibiliWorld2025(以下、BW2025)」に、世界的ゲームクリエイター・小島秀夫氏が特別ゲストとして登場した。あいにくの大雨にもかかわらず、会場には多くのファンが詰めかけ、小島氏がステージに現れると、大きな歓声と拍手が巻き起こった。

今回の訪問は、小島プロダクションによる新作『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』のプロモーションの一環で、中国本土では唯一の巡回イベントとなる。ステージ上で小島氏は、「『DEATH STRANDING』のテーマは“つながり”です。今回、上海に来て中国のプレイヤーとつながることができて本当に嬉しいです」と語った。

主催のBilibili(ビリビリ)によると、今年のBWは総展示面積が24万平方メートルに拡大され、過去最大規模での開催となった。出展社数は700社を超え、うちゲーム関連企業が200社以上。開催3日間で来場者は延べ40万人を超え、昨年から15万人増加した。

小島氏はメディア取材の中で、「昔はゲームというのはニッチな存在で、こうした大規模なイベントが開催されるとは想像もできなかった。今ではゲームが主流のカルチャーになり、多くの人々と共有できるようになったことに感慨を覚えます」と語った。また、「今後、ゲームの重要性はさらに高まっていくでしょう。技術の進化により、これまでできなかった表現も可能になるはずです。ゲームの進化は止まりません。10年後、20年後にはもっとすごい世界になっていると思います」と展望を示した。

中国のクリエイターとの今後の協業について問われると、小島氏は「『三体』のような中国のSF作品がとても好きです。中国の映画監督をはじめ、さまざまな方とコラボレーションしてみたい」と意欲を見せた。ただし、「具体的なことはまだお話しできません」と詳細は明かさなかった。

なお『DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH』はPlayStation 5向けの期間限定独占タイトルであり、中国市場向けの重要な発表の場として、BWは極めて戦略的な意味を持っている。ソニーは2024年から、同社の大型イベント「Sony Expo」をBW内で開催しており、今年は「次元漫遊(ディメンション・ワンダリング)」をテーマに、ゲーム、アニメ、映像、エレクトロニクスなど中国における主力事業を一挙に展示した。

BW2025の成功は、上海が世界のゲーム産業における新たなハブとして急速に存在感を高めていることを示すと同時に、日本を含む国際的なゲームクリエイターたちの協業が、今後ますます活発になることを予感させる。