王文彦、美新|2024-12-24 17:05:00
2030年に3兆元規模へ、中国低空経済が急成長――上海が描く未来図

2024年は「低空経済元年」とされている。中国における低空経済は急速に成長しており、今月開かれた第7回中国国際輸入博覧会(進博会)と前後して、上海各区は低空経済関連の政策を次々に打ち出し、低空交通や物流分野で注目を集めている。

工業情報化部サイディ研究院のデータによると、2023年の中国の低空経済規模は5000億元を超え、前年比33.8%増。2026年には1兆元、2030年には3兆元規模に達すると予測されている。この成長をけん引する上海は、各区の地域特性を活かして低空経済を次世代産業の柱と位置づけている。

上海各区の取り組み――特色ある低空経済プロジェクト

上海の各区がそれぞれの優位性を活かし、低空経済の開発において多様な取り組みを進めている。

 

金山区:無人機物流と海島輸送を先導

金山区は低空経済の分野で最も早く行動を開始した地区の一つだ。2018年に「華東無人機基地」を設立し、約58平方キロの陸地空域と200平方キロの海上空域を活用した無人機の試験飛行を実施した。特に、海島間物流において成果を上げ、舟山から上海へ海産物を1時間以内で配送するモデルを構築して全国的にも注目を集めている。

 

楊浦区:都市配送の効率化を追求

楊浦区は「都市配送」を切り口に、五角場エリアで無人機を活用した外食配送サービスを開始。配送時間は最短10分で、都市部の物流効率を高めるモデルケースとして評価されている。また、大学キャンパスや公園を対象とした新たな配送ルートの開拓も進んでいる。

 

徐匯区:観光・物流・救急における多様な用途を開拓

徐匯区では、龍華空港を中心に低空経済の産業を展開している。今年の国慶節には浦江ヘリコプター観光プロジェクトを始め、黄浦江上空を300メートルの高さで飛行する都市観光サービスが話題になった。さらに、低空物流航路や緊急医療輸送分野での可能性も模索している。

 

虹橋エリア:長三角の低空経済のハブ

虹橋国際中央ビジネス区は、ヘッドクォーターの集積地だ。長三角地域全体と連携しながら、産業チェーンの拡大を図る。2025年7月には「低空経済博覧会」の開催を予定しており、低空経済における国際的な影響力の拡大を目指している。

 

課題と将来の展望――持続可能な成長を目指して

上海の低空経済は成長の可能性を秘めている一方で、いくつかの課題も存在する。大きな制約の一つが空域規制の厳しさで、低空飛行の柔軟性に影響を与えている。また、インフラ整備には多額の初期投資が必要であり、短期的な利益が見えにくい点も課題だ。

 

専門家は、低空経済の持続的な成長には、多様な応用シーンの開発が鍵になると示した。物流、緊急救援、都市管理といった社会的ニーズの高い分野での拡大が求められている。

上海から世界へ――低空経済の未来図

 上海市は2027年までに、低空経済の研究開発、製造、商業応用を網羅した完全な産業体系の構築を目指している。2030年には、低空経済の新たなモデル都市として世界を新たなモデル都市として低空経済の発展をリードする計画だ。

 

地域ごとの特色ある発展と連携が、低空経済の未来を切り開く鍵となる。金山区や楊浦区の事例が示すように、具体的な応用シーンの成功が全体の発展を後押しする。上海が描く低空経済の未来図は、国内外の都市にとっても模範となるだろう。

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写真:上観ニュース