上海の市花「ハクモクレン」が開花期へ
旧正月(春節)明けの上海では、冬の冷え込みが残るなか、早春を告げる花が静かに姿を見せ始めた。上海の市花として親しまれるハクモクレン(白玉蘭)が開花期に入り、街なかでも春の気配が強まっている。
人民広場が“開花の指標” 駅出口周辺が撮影スポットに
現在、注目を集めているのは、地下鉄・人民広場駅20番出口付近のハクモクレンだ。周辺では象牙色の花をつけたモクレンが点在し、上海博物館や上海大劇院などのランドマークと相まって、絵になる景観を生み出している。足を止めて撮影する人の姿も多く見られる。
人民広場以外でも市内各地でハクモクレンが咲き始めており、来週にかけて段階的に満開へ向かう見込みだ。
ハクモクレンの後は、ニキョウモクレン(二乔玉兰)やキモクレン系(飛黄玉兰)などが順次見頃を迎える。品種ごとに花色や開花時期が異なるため、モクレンの観賞はリレーのように続き、全体の見頃は3月下旬ごろまで続く見通しだ。
ひと目でわかる「モクレン」品種
ハクモクレン(白玉蘭)
純白で気品のある花が特徴。樹高は最大15mほどに達し、花が先に咲き、葉は後から出るタイプである。2月下旬〜3月上旬にかけて、空に向かって舞うような花姿が目を引く。つぼみの外側は産毛のある苞に包まれており、寒さから守られている。
ボウシュンモクレン(望春玉蘭)
2月下旬に先行して咲くことが多く、ハクモクレンより早めに開花する。外側の花弁が萼片状になり、内側は淡い紫に白が混じる。つぼみは生薬の「辛夷(しんい)」としても知られる。
ニキョウモクレン(二乔玉蘭)
ハクモクレンとシモクレンのハイブリッド系。花弁は内側が白、外側が紫〜ピンクへと移ろい、チューリップを思わせる花形も魅力だ。
シモクレン(紫玉蘭)
中国原産の代表的な品種。低木状で、花弁は外側が濃い紫、内側が淡紫。葉と花が同時に見られることも多く、見頃は3〜4月。
ホンユンモクレン(紅運玉蘭)
外側はローズレッド、内側は淡いピンク〜白へと変化し、花も大ぶり。「吉祥」や「幸運」を連想させるとして人気がある。春だけでなく、条件が整うと複数回咲くこともある。
フェイホアンモクレン(飛黄玉蘭)
花弁が淡い黄色で、希少な種類。園芸的には接ぎ木で育成されることが多く、開花は紫系より遅い。
ホシバナモクレン(星花玉蘭)
細長い花弁が放射状に開き、星のように見えるのが特徴。白〜淡いピンクまで幅があり、耐寒性が高いとされる(日本由来として紹介されることもある)。
ハクモクレンの花言葉:勇気、団らん、誠実
清らかな白と香りで親しまれるハクモクレンには、さまざまな意味が重ねられてきた。早春に凛として咲く姿は勇気や実行力を、ふっくら半開きの花は円満や団らんを、そして満開の花は誠実さや変わらぬ友情を象徴するとされる。
春の足音が近づく上海。街角や広場で、今年最初の“白い春景色”を探してみては。




