朝日放送グループ傘下のアニメ会社、上海に新会社を設立
市場関係者の情報によると、朝日放送グループ傘下のABC Animationが、上海に新会社を設立したことが分かった。現時点では、同社設立に関する詳細な公式報道は多くないものの、登記情報や事業内容からは、今後はアニメコンテンツ制作、ライセンス運営、IP開発、関連グッズ事業などを幅広く手掛ける可能性がうかがえる。
ABC Animationは、日本の有力アニメ企業の一社として近年多くの人気IPの企画・運営に関わってきた。今回の上海現地法人設立は、中国市場への本格的な事業展開を見据えた動きとして注目される。
現地法人設立後の第1弾イベントとして、人気アニメ『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』のポップアップストアは、サブカルチャー好きやアニメファンが集う場所としても知られる、大型商業施設の静安大悦城にて、2026年3月13日(金)から3月29日(日)までの期間限定で開催される。
POP UP STOREの概要は以下の通り。
会場:中国・上海市静安区 静安大悦城 北座3階 中庭
会期:2026年3月13日(金)〜3月29日(日)
同社はこれまでも中国国内でオフライン施策を展開してきたが、今回の現地法人設立と第1弾イベントの実施により、単発的な催事参加にとどまらず、より体系的かつ継続的な中国事業へと踏み出した形となる。
近年、こうした日本のアニメ・IP関連企業が上海に“静かに拠点を設ける”動きが目立っており、同社もその一例に過ぎない。
2025年9月には、人気キャラクター「ペコちゃん」で知られる不二家も上海に新会社を設立した。当時は大々的な発表こそなかったものの、その後、上海・金橋ららぽーとで不二家のテーマ型ポップアップイベントが開催されるなど、中国市場でのブランド展開を着実に進めている。また、アニメ業界で高い知名度を持つA3も、2025年7月に子会社を設立。現時点では公開情報は限定的ながら、日本のアニメ・IP関連企業による現地運営体制強化の流れを示す事例として関心を集めている。
不二家、A3、そして今回のABC Animationに至るまで、日本のコンテンツ・IP関連企業は、より慎重かつ実務的な形で中国市場への進出を進めている。従来のように大々的な進出発表を行うのではなく、まず現地法人を設立し、その後にポップアップストアやコラボ企画、旗艦店展開、ライセンス提携などを通じて段階的に市場に浸透していくスタイルが目立つ。
中国では、二次元消費市場の拡大とIP体験型オフライン業態の成長が続いている。そうした中で、成熟した商業環境、若年層を中心とする消費者基盤、そしてIPイベントへの高い受容性を持つ上海は、日系アニメおよびIP関連企業にとって、中国市場展開の重要拠点となりつつある。




