第48回世界技能競技大会、開幕直前!7つの新競技から見る「未来の技能」
9月22日夜、第48回技能五輪国際大会が上海で開幕する.
開会式は約90分間を予定している.出演者は約1300人に上り、最年少はわずか7歳.複数回にわたるリハーサルを経て、開幕に向けた準備は最終段階を迎えている.
開会式の見どころ
舞台制作チームによると、開会式のステージは、中国の伝統的な木造建築で用いられる接合技法「榫卯(しゅんぼう)」をモチーフにデザインされる.床全体をせり上げ、巨大なパフォーマンスステージとして使用するほか、選手たちはその周囲に座って演目を観覧する.
また、マルチメディア技術を駆使し、シルクロードの壮大な景観を再現するとともに、時代や国・地域を越えて、世界各地の技能者や、さまざまな技能の成果を紹介.「技能が世界を変える」というメッセージを発信する.
今回の開会式では、屋外とメイン会場をつなぐ演出も初めて取り入れられる.各国・地域の代表団は、屋外のステージを通って約3500人の観客の前に姿を見せた後、メイン会場へ移動し、入場行進を行う.五大陸から集まった若い技能選手たちが、それぞれの技能習得までの歩みを紹介するほか、出演者と最新世代のヒューマノイドロボットによる共演も予定されている.
技能五輪国際大会は、若者たちが技能を競い合う国際大会だ.ワールドスキルズ・インターナショナル(WorldSkills International)の規定では、原則として大会開催年に22歳以下であることが出場条件となり、一部の競技では25歳まで認められている.また、選手は1人1競技のみ出場でき、参加できるのは1大会限りとされている.
こうした「技能の未来」を象徴するのが、今回初めて正式競技に加わった7つの新競技だ.デジタル技術やAI、ドローン、スマートシティ、先端医療など、変化する産業の現場で求められる新たな技能が世界の舞台に登場する.
WorldSkills Competition
7つの新競技
1. デジタルインタラクティブメディアデザイン
デジタルコンテンツとユーザー体験を組み合わせる競技.ビジュアルデザインやアニメーション、映像・音声、インタラクション技術などを駆使し、ウェブサイトやアプリ、VR・ARなどのデジタル作品を制作する.
2. ソフトウェアテスト
ソフトウェアの「品質」を支える技能を競う.さまざまなテスト手法を用いて不具合を発見し、機能や性能を検証する.AIの導入によってソフトウェア開発の自動化が進む中、重要性が高まっている分野だ
3.インテリジェントセキュリティ技
監視カメラ、入退室管理、警報、スマートセンサーなどを組み合わせたセキュリティシステムが対象.設置から設定、調整、保守まで幅広い技能が求められ、AIやIoTを活用したスマートシティとの関わりも深い.
4.無人航空機システム
ドローンの操縦だけでなく、機体の組み立てや調整、トラブル対応、ミッションの計画など、総合的な技能を競う.農業、測量、インフラ点検、災害対応など、拡大する「低空経済」に関わる幅広い分野での活用が期待される.
5.鉄道車両技術
現代の鉄道車両を対象に、点検、整備、故障診断などの技能を競う.高度化する鉄道システムを支える、専門性の高い技術が求められる.
6.小売販売
商品のプレゼンテーション、顧客ニーズの把握、接客・コミュニケーション、販売上の課題への対応力などを競う.現代の小売業に欠かせない「人と人とのコミュニケーション」も技能として評価される.
7. 歯科技工
クラウンや義歯などの歯科補綴物を製作し、医療と精密加工の技能を競う.材料の特性を生かした加工技術に加え、デジタル設計など、現代の歯科技工に求められる幅広い知識と技術が必要となる.
今回の7つの新競技は、変化する産業構造とともに広がる「技能」の世界を映し出している.技術が進化する一方で、その技術を使いこなし、新たな価値を生み出すのは、あくまでも人間だ.




