魯迅との交流100年、文化の架け橋を次世代へ 「内山完造と中日友好」展

by 王文彦、美新
October 22, 2025
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20世紀初頭の上海で書店を開き、中国の文豪・魯迅(1881〜1936)らと深い交流を結んだ岡山県出身の文化人、内山完造(うちやま・かんぞう、1885〜1959)の生誕140年を記念する特別展「以書肆為津梁,期文化之交互――内山完造と日中友好」が19日、上海市の魯迅記念館で開幕した。関係者や研究者ら約80人が出席した。会期は10月31日まで

上海魯迅記念館に開かれた開幕式

岡山市日中友好協会 会長の土井章弘氏は「内山先生は中国で多くの友情を築き、戦後は日中友好運動の先頭に立った。」と語った。

岡山市日中友好協会の土井章弘会長

開幕式の起動セレモニー

今回の展覧会は、中国人民対外友好協会の指導のもと、上海市人民対外友好協会、虹口区人民政府、岡山市日中友好協会が主催。


内山の墓碑に刻まれた「以書肆為津梁,期文化之交互。生為中華友,歿作華中土(書店を懸け橋として、文化交流を期する。生きては中華の友であり、歿して中華の土となる)」を主題に、文化を通じて両国の心を結んだ生涯を内山完造と上海内山書店、内山完造と日中文化交流、内山完造と魯迅 、日中友好への尽力で展示する。

展示会の入口の様子

展示写真を眺める日中友好の関係者や研究者ら

魯迅と結んだ深い友情

内山完造は岡山県井原市に生まれ、1913年に参天堂(現・参天製薬)の販売員として上海へ渡航。1917年、妻・美喜子とともに北四川路で宗教書を扱う「内山書店」を創業した。

当初はキリスト教書を扱っていたが、文学書や一般書も販売するようになり、1920年代には日本と中国の文化人が集う場に発展。「文芸漫談会」と呼ばれる自由な討論会が開かれ、谷崎潤一郎、金子光晴、田漢、郁達夫、郭沫若らが往来した。1927年、国民党政府の弾圧を逃れて広州から上海へ移った魯迅が内山書店を訪れたのが、二人の出会いだった。以後、魯迅は頻繁に店を訪れ、内山夫妻と親交を深めた。魯迅が逮捕令を避けて潜伏生活を送る間、内山が住居の手配や生活支援を行ったとされる。戦後、内山完造は帰国し、日中友好協会の初代理事長として活動。

今回の式典に出席した、東京・神保町の株式会社内山書店 社長の内山深氏は、「内山書店と魯迅との関係は100年になります。今もその歴史を語り継いでくださる上海の皆さんに心から感謝しています。こうした活動がもっともっと後世に続いていくことを期待しています」と感慨を込めて語り、続けて「本屋の主人とお客さんという関係にとどまらず、魯迅と内山完造は深い友情で結ばれた民間交流の手本だということを伝えたいです」と述べた。

同じ岡山出身として出席した、CHUGOKU銀行上海連絡事務所 所長の能登浩一郎氏も次のように話した。「地元岡山の偉大な先輩が上海で多くの方々に愛されていることを大変うれしく思います。内山先生が目指された民間交流こそが最も大切です。平和のためには、私たち一般市民の文化交流が欠かせません。これからも中国の方々と共に歩んでいきたいと思います」。

株式会社内山書店の内山深社長

1927・魯迅と内山記念書局

虹口区では現在、旧内山書店跡を新型多元業態で再整備した「1927・魯迅と内山記念書局」が一般公開された。書局は現在も140年の時を経て、書店主と文豪の友情が築いた文化の橋は、今も静かに両国の心を結び続けている。

会 期:2025年10月19日(日)~10月31日(金)

場 所:上海魯迅記念館(虹口区四川北路2288号魯迅公園内)

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